ラストランは八木地区で。岸和田人のだんじり見物…
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こんな遠いところから、交差点に入ってきただんじりを
個別町名識別できるわけなので、岸和田人は砂漠に住まう方々のように
“目が良い”と断言せざる得ない。
時間、パターンなど複数の情報から特定するわけだが…
纏や法被、はちまきの色など事前情報が刷り込まれているからとはいえ、
就学前の児童が「大町やろ!」とか声を張り上げるのは
よそものには痛快に映るのである。
困った(別に困ってないが)岸和田DNAなのである。
久米田駅前の方が、だんじりが近くでじっくり見れるのに。
私などはそう思ってしまうが、岸和田人は特定の場所で留まって見物する。
最初はこの理屈が全く理解できなかったが、今は少しわかる。
特に十月祭礼では、曳き手と見物人の距離が近い。
岸和田では町会というタテの繋がりと同級生という横のつながりで
メッシュ状になった“密なる”人間関係が強固であることから、
“曳いている知り合い”がやたら頻発するのである。
声をかけて、手を振らねばならないのである。
だんじりの曳き方どうこうというのはもちろんあるが、
まつりを通じて“あいさつ”しているような
多分ほかのエリアよりも一層密な、そんな化学反応があるのだ。
走って笑っているのは、同級生が声をかけるからなのだ。
梃子連のこの方、一人でお年寄りから子どもまで
ディズニーランドのスタッフさながらさばいている…
ちょっとすごいコミュニケーション能力…おもてなし力…
一時、この混雑する空間が、整然とコントロールされていた。
個人のチカラもすごい…
まつり 終わりである。
小屋についたら、もう今年のまつりは「しまい」。
もう曳けれへん…
から、泣くのである。子どもたちはストレートである。
女子の場合は…「ウチのまつりもう終わる」かもしれない。
同級生ではないが、私も彼女たちにエールを送る。
そう思うと「まちのモノになれない」見物人として
感動しつつ、根強いジェラシーを感じてしまうのだ。
今年も えぇまつり、ありがとうございました。
JR東岸和田駅とおまつりの在り方。
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柔らかい線のだんじりと全く対照的な鋭角は、
JR東岸和田駅高架化事業の巨大クレーン。こんな風景は今年限り。
完全な高架化はまだまだ先だが、
その変化過程のなかに祭礼の特殊性が見れたりもする。
駅への導線である重要な横断歩道を、
だんじり曳行の間で、速やかに、そして細かにカットするノウハウ。
「もうすぐ通れます」
「もうじき通れんようなるで」
人懐こいコエガケがうれしい。
まあ、それでも怒っている「急ぐ人」はいるかもしれないが…。
できるだけ“しょうもないストレス”を減らしたい
歩み寄りを強く感じる。
高架下の通路を確保するために2人以上確保。
線路の横断、浜側、山手側の行き来にかなり効果があったのでは?
思い出せば線路わきに何人、JRの職員さんなどが
これまで居たことか。居ませんよ、今年。
こういったろころに調整、ご努力の跡を感じざるを得ない。
えぇまつりにするストレートな努力である。
駅前の案内所、岸和田の特産品販売コーナーは盛況。
スムースな人の流れはこういう結果につながるもの…。
まあ、見物人の不満低減がもちろん大事であり、副次的効果だが。
これによりリピーターが育つなら、大いに価値がある。
南海岸和田駅山手側のs字カーブは作才だけ!
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沼の天神さん、岸和田天満宮へ宮入りするのは
十月祭礼では山下町、続いて作才町であり、地理的な要因?
再開発された南海岸和田駅の山手側一本道は
作才の“もの”なのである。
ロータリー横のs字カーブ、緩やかにはいる。
浜側の写真はおなじみだが、岸和田駅山手側の
だんじり入りカットは珍しい。
岸和田天満宮への宮入は九月祭礼でもおなじみのシーンである。
ラヂオきしわだのレポーター発見…
誰やと近づくと設計課長であった。
岸ぶらにラヂオきしわだ、無理せぬように。
ラヂオきしわだ、まつりのレポート、スマホで聞けます。
宮入名物は…梨ではなくて今日日はガリガリ君である。
とりあいである。
相変わらず子供らが愛くるしく、かいらしく。
今日も一日、ケガの無いように!
エアポケットのような上松菅原神社では
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上松菅原神社はかなり新しい宅地、閑静な住宅地のど真ん中。
小高い丘陵部分にあり。広葉樹は生い茂る。
社叢は残念ながら“祠(ほこら)”といった感じで…申し訳ないが、
立派かどうかというと、そうとは言えない。
ただし、年に一度、十月祭礼本宮では大いに盛り上がるのである。
上松町が十月祭礼の年番長を務めた年…
六覺千手さんのポスター…思い起こしていただければよろしい。
エアポケットさが上手に描かれていた。
しかし神事…禊払はやりようがない。
祠を取り巻き世話人と、若い衆は南北に分かれそれぞれ休憩。
重要な儀式はここからはじまる。
若頭以下、若い衆の次責のあいさつがはじまるのだ。
次責とは次年度責任者のこと。他に前責、当責がある。
次責、前責、当責…このあたりの役のつながりを
極めて重要視する、行儀を求めるところ
岸和田らしい慣習といえるはず。
“ただ、まつりをやっている”のでは、決してないのである。
「あのこ、同級生の孫やで…」
とかなんとか、貫録の世話人から漏れる…
いつまでも見てる、見られている。
世話人の次責、挨拶もここで行われた。ペコリ。
世話人拍手。さっきよりも大きい。
よう知っちゃーるもん。
同じ挨拶はもう一度、祠を挟んだ反対側でも行われる。
こちらは若い衆がギャラリーだけに、若い衆次責に大きな拍手…
世話人には…ほどほど拍手…
仮にだが…
宮崎駿とかがだんじり祭を題材としてアニメ大作を描いたとしたら、
こんなコミュニティーのあり方を表現するのではなかろうか?
牧歌的、ピクニック的な神事?そう、祠があれば神事である。
拝見して、ひとり悦にいってしまった。
平成27年度岸和田だんじり祭<十月祭礼> |
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●試験曳き |
10月4日(日曜日) |
午後1時~午後5時 |